ぼーしやJAM工房

ぼーしやJAM工房からのご案内です。

あなたの手で

 森のジャムを作ってみませんか

果樹酒 はもっと手軽
あんまり天気が良すぎる日には“外へ出たがり虫”が大騒ぎしてどうにもならないんです。
そこで愛犬、ふさふさ毛のアフガンハウンド “ジン君“ を連れて。「そうだ、きょうはジャム 作りだ」「ついでに果樹酒も少々‥‥‥」という具合です。

森からの贈りもの
野山を歩くとさすがに秋も深まってススキの穂も全開。草も茶色になっています。そんな中を走りまわったりころげまわったりしていると、これはなかなか絵になっていると自分でもご満悦。これが山へ来る一つの目的でもあるんです。(人に何ていわれようと自己満足も大切なんだーひとりごと)。森へ足を向けると紅葉も最高調をすぎて、落葉がじゅうたんのように敷きつめられ、足の裏にやさしく当たります。
「よっ‼︎」
のんびりときょろきょろと、見上げたり、葉陰をのぞきこみながら歩く森の中には必ず色あざやかに眼をひく実がなっています。
実がなっているということは、森からの贈り物だって勝手に思うわけです。
ふと眼の前を見ると大きな杉の木が立っています。その根元からずずずずずっとつるが伸びて。まさしく山ぶどう。つるにそって見上げると‥‥‥。
「ワー‼︎決った。今日は山ぶどうのジャム作り‼︎」
黒紫に光る房が盛上がるようになっています。その感動的な姿よ。
枝に手をかけ足をかけ、その黒紫の輝きに一歩づつ近づいて行きます。胸が騒ぐんです。
今年一年間の山ぶどうの木の生活をしめくくるのにふさわしいずっしりした重み。それを一房づつ袋に入れます。時々実をつぶしてしまうと手が紫色に染まります。
枝の先の方についている房は「鳥たちに残しとこう」なんて愛鳥精神? をみせ、やっと木から下りました。

「ご馳走さま」
行く手には次から次といろんな実が現れます。次の目的は果樹酒です。果樹酒の実なら歩きながら少しづつとっていけば足ります。
「あった。あった」
まず赤い実。がまずみ、赤い実だからすぐ眼につくし、第一小型の木だから、木に登らずにすみます。房ごととるとちょっと赤くすける感じ。
「食べられますよ。おいしいですよ」
そういって可愛い赤い手を上げている感じです。
本日の収穫=山なし、ななかまど、こなし、やまぼうし、がまずみ。
「ご馳走さま」
森に声をかけて、待っててくれたジン君と飛ぶように山をかけ下りました。

山ぶどうジャム
まず山ぶどうのジャムから。懸命に房から一粒づつとる。力を入れてひっぱちゃいけません。粒を横にたおすようにするとすぐにとれます。時間がかかるけど今日の収穫を思い浮かべながらこれがまた楽しいひと時。それがすんだら洗う。といっても薬がかかってるわけではないからあっさりとごみだけ流すように、洗い終わったらほうろうの鍋に入れて火にかけるんだけど、その前に忘れちゃいけないこと。山ぶどうの重さを測っておく。これは砂糖の量を測るため。
では火にかけてみましょう。火は中の少し手前くらいの強さで。
これで一段落。
さて、一ぷく‥‥‥。

カギは甘さの加減
今度は植物図鑑をとり出す。これが楽しいんです。とってきた実を照らし合わせてみる。実の収穫と一緒に知識の収穫ってなわけです。
山ぶどうが煮えるまでちょっと間があるから、この辺で果樹酒用の実を別々に洗って布で水をきっておきます。
そうやっている間に、鍋がぐつぐついってきます。ぶどうの色が少しうすくなったと思ったら火を止めます。これからが山ぶどうジャム作りで一番のきついところ。
山ぶどう一粒のなりは小さいけどタネは大きい。そのタネとりのこす作業です。でも労働がきつければそれだけ実りも大きい。出来上がりのうまさを思い浮かべて、ここは我慢我慢。お先へどうぞ。
こし終わったら前に計っておいた山ぶどうの重さの30-50%(僕の場合は35-40%)の砂糖を加えてもう一度加熱。
、甘さを強くするのは、より長く保存させるためです。そういう必要はあまりないから甘さはひかえめに。甘すぎると第一果実の味をこわすし、歯も悪くなる。健康によくありません。
いい煮込み具合だと見たら、一度少しお皿にでもとって冷し、そのかたまり加減、要するに“とろみ”を見ることです。
それもOKならきれいなビンに入れ(蓋は良いものを使うこと)、脱気殺菌かれいとうこに入れておけば長くもちます。
これでジャム作りは終わりーという次第です。
山ぶどうジャム。ジャムの中でも最高です。あなたもやってみませんか。あなたの食卓がきのうとはすっかり違ってきますよ。

果樹酒はらくらく
さて。水きりしていた実の方もすっきり水がきれたので、今度は果樹酒作り。
はじめに果実の重さを計り、その重さの約三倍のホワイトリカーを入れます。
山なしは半分に切るか、楊枝でつついて数カ所穴を開けてやります。琥珀色になって、そりゃうまいです。
がまずみは赤い果樹酒。ちょっと砂糖を入れた方がいいかな。
ななかまどは飴色。この果実酒は何かなつかしい味です。
こなしは淡い飴色。
山ぼうしはやはり琥珀色。
これは実が甘いからレモンの輪切りを入れてやらなきゃ。
砂糖はなるべくひかえた方がいいようです。飲む時に味が強いと思ったらレモンとシロップ、炭酸なんかをまぜると、また格別な味になります。森のフィズっていうところでしょう。

すてきな色と味
あっ、これを忘れちゃ大変。雪が降って正月をこえたら、そう、仕込んで三カ月したら、実がくずれてくるから、実を上げること。これを忘れると、せっかくきれいな色の酒がにごってしまいます。
見ていてごらんなさい。果実酒は毎日毎日ビンの中で少しづつ色を変えていきます。本当に美しい色に仕上がるのです。実によってもちろんみんな味が違います。美しい色と味が楽しめる酒です。
果実酒を作るのはすごく簡単だから誰にでも作れます。是非あなたも自分の手で実をとって作ってみてはどうですか。
これで今日の仕事は片付いた。
「お疲れさん‥‥‥」
自分に声を掛けて、さて一ぷく。この一ぷくうまいこと。
そして
煙草の煙を追いながらぼくは今日の森の道を思い出していました。あの森もやがてすっかり雪におおわれてしまいます。
「そうだ。雪が積もったらまた今日行った森へ行ってみよう。今度は動物たちが沢山足跡をつけているだろう。その足跡を見にいこう。山や森は季節季節でいつも新しい感動を伝えてくれるんです。」
ぼくは眼を閉じました。本当、感謝感謝。ではまた。お元気で。

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夏春
もえる新緑浴
そよぐ森林浴
この頃森林浴なんていう言葉を聞く。森林浴というとやはり夏の青々とした頃の森のことだな。白樺や唐松がもえる新緑の春は新緑浴。となると紅葉で色どる秋は紅葉浴。冬は森雪浴か新雪浴だろうな。大自然にすっぽりつかるとからだがいきいきとの伸び上がるんだな。
映える紅葉浴
輝やく森浴

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忘れちゃいけない
野山を歩く時、これだけは忘れちゃいけない。といってもべつに大げさなものじゃありません。スーパーなどで買い物をするとくれるうすい買い物袋、あれですよ。たたむと小さくなるからポケットに突っ込んでいけばいい。二つくらい用意すればOK。入れものですよ。野山を歩くのにべつに立派なものはいらない。だけど何か見つけても、入れものがなくちゃ困っちゃう。

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落実注意!
落石注意ではなくて、落実注意? 森の中を歩くとバサッとかボタッとかいっていろんなものが落ちてくる。“落石注意” とか “雪崩注意” なんていう標式は時々立っているけど ”落実注意“ っていうのはない。どんぐりくらいならまだいいけど、山なし、くりの実その他いろいろ。大当たりの時は鐘が鳴る‥‥‥。“落実注意” の標式はあなたの気持ちの中に立てて下さい。

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