ぼーしやJAM工房

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すじ雲の間から大地図

さすがの熊もまいった という話
熊は星になりました

森の大王かしの木は、やおらその長い手をのばして、熊の尾をつかんだのです。
「おい、待て、待てったら。俺をどうしようっていうんだ」
‥‥‥さて、いよいよ森の舞台の幕開けです。

大王は熊の尾をしっかりとつかむと、夜空へポーンと投げ上げました。さすがの熊も大王にはかないません。
「ひゃー、助けてくれ」
夜空から熊の叫ぶ声が聞こえました。しかしそれっきり。熊は夜空に吸い込まれ、帰ってきませんでした。
夜空の一角がキラッと光ったように見えました。
熊は星たちに迎えられたそうです。そこで幸福に暮らしているそうです。いまでも夜になると星たちと一緒に、自分が暮らしていた森をなつかしそうに見下ろしているそうです。
これはあるインデイアンの伝説です。熊の星は大熊座です。

すじ雲がそのすじの間でぽっかり割れ、そこから満天の星空が出てきたりします。
雪国では12月から1月に入ると急に雪の日の方が多くなり、1ヵ月のうち半分以上が雪の日です。二月がピークで、この前のシーズンは22日間も雪が降ったけど今度の冬はどうですかね。
まだちらちらと雪が舞う星空は、たたくとカチンと音がするような星空です。その星の大きいこと。見ているといまにも落っこちてきそうなのです。

空も季節で衣がえ
こんな言葉があります。
“すばるまんどき粉8合”
“すばる” は星の名前。そばをまく時期と収穫の関係を教えた言葉です。
すばるという言葉はずい分昔の文書にも出てくる言葉で、“すまる”という糸でつないだ玉かざりからとったそうです。玉かざりの形と星座の形が似ているので、そのすまるがいつかすばるになったとか。
季節によって夜空もころもがえをします。星も入れかわります。
すばる( おうし座 )、三つ星 ( オリオン座 )、きん星 (ふたご座 ) それにおお星 ( おおいぬ座 ) などが冬の星ですね。

3っ星もすぐ目につく星だから、あなたも知ってるでしょう。3っ星上る時刻や高さも、よく農業や漁業の教えに使います。冬空にひときわ大きくキラキラ光る3っ星を見ていると、なにか心が洗われるようですね。
この間ブッシュマンのニカウという人が日本に来ましたね。ブッシュマンの人たちは、人間やライオンが死ぬと星に生れ変ると信じてます。こういう考え方はブッシュマンに限らず日本にも他の民族にも共通しているようです。
すじ雲の間から顔を出す雪国の大きな星空を見上げていると、夜空に星座の大地図を描き上げた昔の人々の気持ちが、自分自身のものになってきます。星空の下でまたお会いしましょう。大熊座はいま冬眠中です。春一番で夜空にお目覚めになります。

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