ぼーしやJAM工房

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我ら森の遊び仲間 雪の友だち

「これ。雪上ヨット」です。

雪を見るとじっとしていられない。“われら森の仲間” たち。わいわいがやがや。そこでまとまったのが、名付けて「雪上ヨット遊び」。果たしてうまくいくかな‥‥。

ベニヤ板で滑走
何気なく集まったんです。濃い目のコーヒーにパイ(この日のパイのメニューは、ルバーブでした) を楽しんでいたら一人が突然こんなことをいいました。
「できたらリフトに乗らないで‥‥‥」
「なんだい突然」
「雪だよ。雪原で遊べるのがいいな」
彼の瞳は、まるで恋人を夢見るうるんだ瞳です。
「そういえば‥‥‥」
そういいだしたのはヨットの大好きな友人です。
「前にベニヤ板を持って滑ったことがある」
みんなの瞳が輝きます。
彼の話はこうです。
ふと思いついて、ベニヤをかつぎスキー場へ。さてそのベニヤを両手で持ち上げ、風を受けてみたわけです。なんと、下り坂だけでなく、軽い傾斜なら上りでもそのまま滑っていく軽快さ。
「薄いベニヤだから割合い自由になる。面白かったよ。味をしめて毎日ベニヤ持参でスキー場通い。もっともベニヤは一日で駄目になるけどね」
「よしそれだ」
意見一致。わき目もふらず一直線ってわけです。

まず風と帆の関係
「簡単に考えれば後ろから風を受ければ、前へ進む。だけどそれじゃ風下へしか進まない。だからヨットやウィンドサーフィンのように考えればいいんだよ。それが雪の上でどれだけ通用するかだ」
まず知らなければならないのがヨットの動き方。
「えーと、まず図を書いてみよう」
そこで彼が書いたのが下の図 1です。

「図の矢印の方向から風が吹いてきたとしよう。その場合、ヨットを動かす力 (推進力) をもっとも大きくするには、ブームをこんな位置へ持ってくるんだ。風がヨットに吹きつける方向とヨットの進行方向との角度の、大体2等分線上にブームを持っていく。例えば風の方向に対し90度の角度で進む時は、ブームの角度は45度ってわけ。風上に向う時は45度で進めるからジブザグ運転だな」
ここで一息。
「今日のコーヒーはうまいね」
彼は大変ご満悦です。
「ヨットの針路を変えるのもいま説明したような帆の操作でできるわけだね。もう1度図を書くと‥‥‥」
ここべ彼は第2図を書き、ついでにヨットのセンターボードについても触れました。要するにセンターボードはヨットの横流れを防いでいるわけです。

熱い紅茶の ”知恵“
さて問題はここからです。いまの話をどうやって雪の上に置きかえるかです。
ーーーがやがやがや‥‥‥。
ちょっと頭が混乱してきました。気を静めるために熱いロシアンティーを1ぱい。ロシアンティーというのもただのイチゴジャムぢゃなくて、ついこの間作った山ぶどうのジャム入り。これは上等。そのうまさにみんなの顔が柔らぎます。
外はまた雪になりました。 「センターボードをどうするのかだ」
一息つくと話は自然にもどっていきます。
「まさかヨットみたいにセンターボードを出して雪に突込むわけにはいかないしな」
「スキーの板を使えば、エッジの部分が多分センターボードの役をしてくれるんじゃない‥‥‥」
「いけそうだぞ」
「帆の方はベニヤでやるにしろセールで作るにしろヨットの原理をいただければいいんだよな」
「1度自分勝手に、別々に作ってみようよ。その方がいろいろあって面白いぞ」
「滑ってみて、滑りながら改良しようや」
これがこの日の結論です。

じゃあ滑降に乾杯
「基本はヨットやウィンドサーフィンの帆の研究だよ」
「じゃ滑降に乾杯!」
「無事滑降にだよ」
「みなさんご無事に」
この連中、遊ぶことと乾杯が大好きなんです。
ともかく、この冬はへんな恰好の 「雪上ヨット」がスキー場を闊歩することでしょう。
あなたももしスキー場で ”雪上ヨットらしき、あやしげなものを見つけたら、この “森の遊び仲間” だと思って下さい。
「やあ 」って気軽に声をかけて下さい。山ぶどうの熱いロシアンティーを一緒にのみましょう。その時のパイのメニューは、冬だからルバーブは無理だな。
雪はさっきから小止みなく降り続いています。雪は音を吸い取るのでしーんとしています。今夜も相当積りそうです。ではまた。

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