ドライフラワー
われもこう (バラ科) という野草があります。初秋に花が咲くとやがて小さないがぐりぼうずのような実をつけます。赤トンボがそのぼうず頭に好んで止まるようです。だからでしょう。方言では ”とんぼばな“ とか”ぼうずばな“ といったりします。ぼうず頭がとても面白いんです。
からはなそう(アサ科、カラハナソウ属) というつる草があります。ビールの苦味に利用するほっぷと似ていて、和製ほっぷといわれています。高原にはいたるところにつるを伸ばし、夏に花を咲かせると、その花びらが散らずに枯れ、今度はつるにベージュ色の花を咲かせています。
うばゆりといい、われもこう、かわらな草といいごく自然のままのドライフラワーといえるでしょう。
自然と結ぶ部屋
最近は都会地でドライフラワーを置いている店が多くなりましたね。ちょっと大きな花屋さんへ行くと、その一角がドライフラワーのコーナーになっていたりします。
「専門店があるくらいだからドライフラワーの作り方は難しいのかしら‥‥‥」
なんていう人もいます。中にはドライフラワーは花屋さんか専門店でしか買えないものと決めこんでいる人もいます。
とんでもない。高原はドライフラワーだらけなんです。
面白い形をした植物が沢山あります。花より実の方が面白いものもあります。そのまま立枯れてドライフラワーになっているものも沢山あるんです。高原はドライフラワーの製造室みたいなものです。それを無造作に花びんにさすなり、部屋につるします。あなたの部屋がこの高原と結ばれるし、部屋がぐっと新しく、広くなりますよ。
先日山を歩いていたら、ポトンと大きな音がして、松ぼっくりの3倍もある大きな実が眼の前に落ちてきました。
「何だ」
ドイツトウヒの実です。
「うわーっ。面白い形をしてるな」
何かできそうだぞ。人形にしようか、山の精の顔? 何かを描いてもいいな。帽子をかぶせて、それともペンダントにしようか、また悩みが1つふえました。
自然はいつも何かのきっかけを作ってぼくたちの想像力を高めてくれます。
今度あなたとお会いするまでに、きっと面白いものを作っておきます。楽しみにしていて下さい。