ぼーしやJAM工房

ぼーしやJAM工房からのご案内です。

メイポール・アップル、アップル・ゼリー

小池先生が初めて僕にクラブ・アップルを見せてくれたのは、もうずいぶん前の事です。クラブ・アップルと言うのは野生のリンゴだそうです。実の大きさは普通僕たちが農家や八百屋さんで目にしているようなソフトボールの様な大きさとは違ってゴルフボール位でしょうか?
クラブ・リンゴって種類が幾つもあるのです。全部ひっくるめてこれって言う味を言う事はできません。ある物はちょっと酸っぱかったり、ちょっと渋味があったり。香りがあったり、苦かったりします。(味を表現する単語ってもう少しいろいろあってもいいですよね。もっとうまく味を説明したいのですが、なかなかね。)
ただ、リンゴの元の姿、顔を連想できそうではあります。
中央アジアにある原種のリンゴの森の話は、時々いろいろの方面から聞こえてきます。それの幾つかが中国を通って日本に来ています。それは和りんごと言う名で今は呼ばれていますよね。今では、あまり食べるという対象になっていないですけれども、まだ日本各地に少しずつ残っているようです。ここ飯綱町では“高坂りんご”がそうです。
シルクロード(かな?)を通って中東、ヨーロッパへ渡り、アメリカへ渡り品種改良を積み重ねてそれがまた日本へやって来たのが江戸時代ですが、主な品種は明治時代以降です。日本でまた長年の品種改良が繰り返されて、その結果を今の僕たちは食べているのですね。僕たちの大好きな、紅玉やフジ、シナノゴールドなんかはその流れから出て来ています。
そう、そんな分けでりんごの昔の姿と歴史、そしてその広がりに興味を覚えました。
でもクラブ・アップルって、何でクラブ=かに、なんて名前がついているのでしょう?今度小池先生に会ったら聞いてみる事にします。 

山下さんの所で、そんなクラブ・アップルの話をしました。
「うちにも、クラブ・アップルもあるよ。それにこんなのがあるよ」
「へえ、面白いですね」
山下さんが見せてくれたのはメイポール・アップルでした。
「食べると言うよりは、花粉をとるためのリンゴだよ」
「これ面白そうですね。」
そう言ってメイポール・アップルを頂いて行きました。
メイポール・アップルはゴルフボール位の大きさで実の中まで真っ赤なリンゴです。このジャムの作り方をいくつか工夫してみると、このりんごの独特の味わいが伝わってきます。
それにしても、中村さんの頑張りが無ければぼーしやJAM工房にメイポール・アップルジャムはできませんでした。
そう、結構大変だったんです。
「苦労したかいがあるね」 
「美味しいですねえ」
「アップル・パイで食べてみよう」
こんな風にぼーしやJAM工房にメイポール・アップル・ジャムと言う新しい仲間が増えました。
でも、メイポール・アップルはクラブ・アップルでは無いと小池先生に聞いた覚えがあります。

別な日に、クラブ・アップルを山下さんに頂いてその味を確認します。僕たちは、野生な果物も関わってみているので クラブ・アップルの野生な感じが楽しみでした。
「アップル・ゼリーを作ってみたいね」
僕はスタッフと話します。
りんごのペクチンを取り出してそれとお砂糖だけで固めて作ります。量も多いこともあって、結構な時間がかかりました。
「抽出されたリンゴのエキスだね」
「リンゴの良いものが全部詰まった、精って感じ」
野生なリンゴからできた赤い透明感のあるゼリーができました。遠い昔の中央アジアのリンゴの森に思いを馳せる。そんな気分でしょうか?ちょっとキザな感じですけれど。

またまた別な日に、和りんごの話をしていました。
「飯綱町に和りんごがあるらしいですね」
「高坂りんごな。ほんのちょっとだけれど、俺の所にもあるぞ」
「まだなってると思う」
山下さんと僕は、リンゴの畑=林を歩きます。
「ああ、あれだ。少しだけだけど実がなってるな」
その実は、透明感があって持ち上げると、スーと日中の光が透ってリンゴが明るくなるのです。
「これはキレイなリンゴですね」
あんまりきれいなその赤い透明感に魅せられてしまって
「ちょっとでもいいですから、貰って行って良いですか」
僕はその和りんごを頂いて行ったのですが なかなか手が付きません、テーブルの上に飾ってずっと眺めていました。

随分長い事僕は、和りんごを眺めていました。でもとうとう僕は、リンゴが痛む前に、意を決して加工することにしました。ちょうどあのクラブ・アップルのアップル・ゼリーと同じ要領です。和りんごのアップル・ゼリーを作ったのです。
千年りんごのアップル・ゼリーと言う名前にしています。和りんごは平安時代に日本に中国から入っていますから、栽培が始まって千年を少し超えた所ですね。それから改良されないでそのまま残ったのでしょうか? 突然変異や改良があったかは分かりませんが、あったら野生種とは呼ばないですね。
千年の命、千年りんごのゼリーです。
この年、ジャムのビンにして10本の千年りんごのアップルゼリーができました。

アップル(生果100gあたり)

バラ科、リンゴ属
原産はアジア西部、コーカサス地方
現在リンゴの品種は7500種以上。
フジは青森県で誕生したリンゴです。それが現在世界で一番多く生産されるりんごです。リンゴの味覚の比較にフジを基準に使っているところもあります。

カロリー 52 kcal
脂質   0.2g
ナトリウム1㎎
カリウム  107㎎
炭水化物   14g
食物繊維   2.4g
糖質     10g
たんぱく質  0.3g
カルシウム  6㎎
ビタミンC  4.6㎎
鉄      0.1㎎
マグネシウム 5㎎
 

次へ 投稿

前へ 投稿

© 2024 ぼーしやJAM工房